皮膚疾患の症例
2024.04.04
④犬アトピー性皮膚炎
どんな病気?
生まれつき皮膚のバリア機能が弱い体質があり、通常は無害なハウスダストや花粉などに体が過剰に反応して痒みが生じます。
症状
眼や口の周り、耳、脇の下、足先に痒みや赤み、脱毛がみられます。
症状が慢性化すると皮膚が黒くなったり、ごわごわとした厚い皮膚になります。
他の動物に感染することはありません。
一般的な治療
■急性期の治療
対症療法として痒みや炎症に即効性があるステロイドの内服や、痒み止めの内服薬(アポキル錠)、抗体医薬(サイトポイント)の注射で治療を行います。
■ 慢性期の治療
対症療法として長期間使用しても副作用の少ない痒み止めの内服薬(アポキル錠)や免疫抑制剤(シクロスポリン製剤)の内服、抗体医薬(サイトポイント)の注射で治療を行います。
■ 根本治療
原因となっているアレルゲンを少しずつ体に入れ徐々に体を慣らし症状を緩和する減感作療法は、薬の減薬が期待できます。
■ その他の治療
補助的な治療としてサプリメントの使用やスキンケアを行います。膿皮症やマラセチア皮膚炎、外耳炎が認められれば治療を行います。
よくある質問
Q1.皮膚炎が治らない。休薬すると再発してしまう。
生まれつきの体質であるため生涯にわたり病気と付き合う必要があります。
アレルゲンが花粉の場合は症状に季節性があり、ハウスダストの場合は通年性の傾向があります。